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高森明勅
2020.1.5 06:00皇室

天皇の「3つのお立場」

いささか図式的な整理になるが。
私がこれまで述べて来た「天皇の3つのお立場」と、昨年に行われた「3つの皇位
継承儀式」(イ)、新年の「3つの正月行事」(ロ)、それから天皇の「3つのお務め」
(ハ)は、それぞれ対応している。

先ず「3つのお立場」。
①皇祖の“系統と精神”の継承者(憲法2条に「皇位は世襲」と規定)。
②国家の公的秩序の頂点(憲法1条に「日本国の象徴」と規定)。
③国民結合の中心(憲法同条に「日本国民統合の象徴」と規定)。

これらの①と、皇位継承儀式の「剣璽等承継の儀」と「賢所の儀」(イ)が対応する。
正月行事では四方拝・歳旦祭(ロ)に対応する。お務めでは皇室祭祀(ハ)。
②については、「即位礼正殿の儀」(イ)、「新年祝賀の儀」(ロ)、憲法に列挙された
国事行為(ハ)が、それぞれ対応する。

③は、「大嘗祭」(イ)、一般参賀(ロ)、国民に寄り添われる公的行為(ハ)が
対応している。
そのように理解できるだろう。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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